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第13回ウクライナ避難民の方によるウクライナ家庭料理教室

2023年10月30日

弊社は、ウクライナ避難民の方に家庭料理を教えて頂くプロジェクト(ロシア語通訳付き)を行っております。

 

日本でなかなかお仕事の見つかりにくい、日本語の分からない方、中長期的に日本に滞在せざるをえない方、周囲に日本語の話せる方やサポートが少ない方を優先し、報酬ありの「お仕事」として来て頂いています。

 

第13回は「ペリメニ」。

 

皆で作れる楽しい料理を、ということで小麦粉生地で肉の具を包む、おなじみ餃子に似たお料理です。リピーターのA子さんが職場の後輩B子さん(弊社の所在する板橋区民です!)をお連れしてのご参加です!「今日は肉を3種使います。牛豚あいびきに鶏肉を混ぜるとより美味しくなります」と講師のヴェーラさん。3種のブレンド肉ですか…。これは新たな美味に出会えそうね!

 

まず、小麦粉に卵、塩、熱湯を混ぜて練ります。

 

 

「以前のワレ―ニキとなんか手ごたえが違いますね…。今日はうまくいかないかもしれないわねえ…」「え、そうですか」「うーん、そうですね、生地がなんか重いんですよね…」あ!そうだ、今日は餃子のノリで強力粉を用意してしまいました。ワレ―ニキの会では薄力粉だったわ。「そうだったんですね!」ヴェーラさん、ほっとした様子。

 

 

生地が出来たら、今度は具を作ります。3種のひき肉におろし玉ねぎと塩コショウを混ぜる。そう、混ぜるだけ、なのですが…玉ねぎをおろすのが、軽い「懲罰」ですね。部屋中にすっごい玉ねぎ臭!薬品やガスのにおいを玉ねぎ臭と比喩するのもおかしくない。涙はボロボロ、アイライナーが溶けて、目の周りがパンダよ。

「私は平気です、おろしてる人は後ろにいるので涙は出ませんよ」ヴェーラさんは慣れているので全然平気でした。(でも、おろしてても辛い)

 

 

生地を棒状にします。小さく切り、延べ棒で丸く皮を作ります。まずはヴェーラさんにお手本を一個作ってもらいました。熟練の技、綺麗です。「包んだペリメニのはしっこを合わせて、こう」「へー!」「やってみよう!」「どんどん作ってください。皮も具も120個分はゆうにありますよ!」120個かあ…。ますます刑務作業っぽくなってきたわね!作業、始め!

 

 

 

ところが、これが結構難しい。A子さんは具が多く何回かやり直し。私は具がハミでてどら焼き状に…。他方、B子さんは実家が餃子店かと思うほど、見事な出来栄えです。う~ん!我々全員、ペリメニはそれぞれ人生のどこかで食べたことがあるので、形も大きさも理解している。しているんだけど、作るのは大変。

 

やっと成形は終了…。「マジで疲れたね…今回…」「お腹すいてる、すでに…」「ウン…」

女子刑務所の同衆同士、親交を深めてる感がある。

 

 

鍋いっぱいのお湯で茹でた後、バターと乾燥ディルをまぶして。ペリメニの入ったボールに蓋をして思いっきり揺すります。「パターとディルをこうしてしっかり混ぜるんです」ちょっとやってみます。「あっつ~!」「気を付けて!」ボールが物凄い熱さでした。

 

完成です!(ワイン、開けますか)

 

 

レストランなどではサワークリームとディルで頂きますが、各自好きな味付けでも良いのが家庭用のペリメニ。ヴェーラさんにはウクライナの市販のからしを頂きました。「どーする?」「…まずは私はベーシックにサワクリ」「そうねえ…」迷います。ヴェーラさんは「我が家ではケチャップも使いますが、日本に来てわさび醤油が美味しいと娘に教わりました」。早速皆でトライしました。バター&わさび醤油、新しい発見です。これは美味しい。ウクライナのからしもよく合いました。鶏肉が混ざると、よりマイルドでジューシーです。

 

 

「我が家では子供たちが『ママ、ペリメニしよう!』と言うんですね、そうなると私と子供たちでせっせと今日のように作るんです。家族総出の調理ですね。それはもう、とても楽しかったですよ。たくさん作って冷凍しておきます。作るのに時間はかかりますが、保存食ですからね。でも、日本に来てからは今日が作るのが初めてです」

 

戦争がなければ、彼女も今日ここで私達とペリメニを食べることはなかった筈です。ヴェーラさんの家族の記憶を伺うたび、私達はこの戦争を身近に感じざるを得ません。

 

株式会社日露サービス

代表取締役社長

野口久美子

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