第15回ウクライナ避難民の方によるウクライナ家庭料理教室
2024年1月18日
弊社は、ウクライナ避難民の方に、家庭料理を教えて頂くプロジェクト(ロシア語通訳付き)を行っております。
日本でなかなかお仕事の見つかりにくい、日本語の分からない方、中長期的に日本に滞在せざるをえない方、周囲に日本語の話せる方やサポートが少ない方を優先し、報酬ありの「お仕事」として来て頂いています。
2023年の最後を飾る第15回目は「ブリヌィ」です。おなじみ顔出しNGリピーターのA子さんのリクエストにお応えしました。いわゆるクレープなのですが、ウクライナ家庭料理ではどのように仕上がるのでしょうか…。
A子さん「私は、やっぱり蜂蜜で食べたいです!」(A子さんはブリヌィを賞味したことが多々あります)
私「え~!夕食に蜂蜜のブリヌィなんて物足りないわよ~!」
「じゃあ、豚と鶏のひき肉をミックスした具にしましょう!」とヴェーラさん。豚と鶏、日本ではあまりポピュラーではないこの組み合わせが楽しみです。
まずは生地から。薄力粉をふるい、塩・砂糖・卵・牛乳をまぜたところに薄力粉を投入。だまにならないように混ぜます。これがヴェーラさんの美味しいブリヌィ生地!
お次は、具です。これは簡単、お肉を炒めるだけ。
「これもお好みのスパイスを入れましょう」とヴェーラさん、このキッチンにある適当なスパイスを並べると、「今日はチリパウダーと黒胡椒を試してみましょう」。結論としてはスパイスは、やはり入れた方が格段に美味しくなります。鶏肉を混ぜると、牛豚あいびきより軽い味わいになりました。
生地を焼いていきます。この料理教室のモットーは「皆で楽しく共に」。という訳で、参加者にもじゃんじゃん労働して頂くんですね。本日は4人がかりで焼きます。これが結構大変、フライパン2台が稼働するので、部屋も暑い。
ここからが本番、今日は4つのスタイルでブリヌイを頂きたいと思います。まずは、「封筒型」と呼ばれる包み方。それから「トライアングル」、サーモンとカッテージチーズを巻いて「ロール」。最後はシンプルには焼いた円形のブリヌィに蜂蜜を塗って…。ヴェーラさんの指導のもと、巻いていきますが…これは難しい。なかなか上手にできません。
「なんか違う…」
「お皿に乗りきらないかしら…」
やっと完成!
「ブリヌイは、成形した後にバターで焼いても美味しくなりますよ」とのこと。早速焼いて頂きましたが、バターのテイストが食欲をそそる、コクのある仕上がりになりました。美味しいです!!A子さんも私もこれは初めてのレシピでした。ちなみにこのお皿は、昨年秋にウズベキスタンで仕入れてきたもの。古都サマルカンドの柄なんですって。なかなか映えるわね~!
次回、このチームはウクライナ料理のひとつ、サリャンカに挑戦します。ウクライナの農村発祥のこってりした一品で、オリーブやレモンを入れた珍しいスープです。
2022年9月にスタートしたこのワークショップも、今回で15回目を終えました。これまで(様々なウクライナ料理というかソ連料理というか)16品を作ってきましたが、どの回においても、大小様々な発見があります。共通して言えるのは、ひと手間が格段に美味しくなるという点でした。ちょっとした工夫やプロセスが、一品に磨きをかけます。多忙な生活を送る日本人にはなかなか難しいことですが、ヴェーラさんの平和だったキーウでの家庭生活が透けて見えました。また、調理後、参加者の皆様とお食事しながら会話を楽しむことも、このイベントの重要なファクターです。ウクライナ避難民の方から、ソ連時代の話や今感じていることをお聞きできるのは、大変勉強になります。日本語を学習中のヴェーラさんにとっても、頑張って日本語で話せるいい機会になっていることは、主催者にとっても大変嬉しいことでした。
日本の一民間企業として、この戦争の多くの犠牲者に深い哀悼の意を表するとともに、祖国を離れた人々が無事にそれぞれの家に帰還できるよう、一刻も早く戦争が終結することを切に願っています。
株式会社日露サービス
代表取締役社長
野口久美子
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