キルギスの首都で過ごすヴァカンス その2「マダムの休日」
2023年10月10日
「アラ・アルチャ自然公園に行きましょうよ!」
アラ・アルチャ自然公園は、ビシュケク市街地から車で50分程度で着く自然保護区。現地の友達に誘われ、ビシュケクの大自然を見に行くことに。スーパーマーケットに立ち寄り、サンドイッチやドリンクを買って出発よ。
ゲートを通過したら、まずは記念撮影。市街地は20度近くあるのに、この一帯は14度程度。ぐっと冷え込んでいる。これは、もう東京は初冬の気候。なんて寒いの!
キルギス人は遊牧民。移動式住居ユルタは、時々見かける。と言っても遊牧民が生活しているのではなく、ちょっとした休憩所やカフェ代わりに置いていることがある。ここにもあった。異国情緒があり、可愛らしい。「クミコ、ユルタが欲しけりゃ買えるわよ」「本当!?」「東京でどこか公園に置いてみたらどう」「…前科前歴は、まだ欲しくはないわね」
針葉樹に囲まれて歩いて行くと、大きな三叉の樹がある。なかなか見られない、立派な幹は太く、座れるくらい。アルィスラーンさんのエスコートでコーヒー飲んで、一休みさせて頂くわ。
ふと振り返った瞬間、リスが現れた!キタリスです。んま~!可愛い!訪問者たちが餌をくれる事を知っていて、こうしてひょっこり人前に出てくるそう。
アラ・アルチャ自然公園を後にして、車を山岳地帯へ走らせれば、そこは別世界。低木しか生えない山の上からはビシュケクが遠くに見える。市街地の周りは荒涼とした土地が横たわる。標高は2000m程度という話だった。
誰もいないこの山で、牛が放牧されていた。遠くには雪を頂く山が見える。この茫漠っぷりが、私の人生そのものね…。ロシアは戦争起こすし、世界はめちゃくちゃよ!グテーレスもストルテンベルグも何してるのよ!日本は国連に大層な拠出金払ってるのに、もっとしっかりやって欲しいわ!!(牛が怯えて立ち去った)
写真家のアルィスラーンさんは、この自然でとってもゴキゲン。
アルィスラーンさんは「このあたりに美味しいレストランがあるよ、食事に行こう」。鱒料理を出す店があるという。敷地内に大きな池があり、鱒が泳いでいる。コテージ風の小屋は一組ずつ利用できて、アウトドア感がたっぷり。「鱒のフライにしようか」「いいわね~」「ポテトフライも」「お腹すいたあ」
鱒のフライ…。切り身を想像していたのだが、なんと出てきたのは丸のままの鱒!キルギスのパン・ノンもオーダー。これはまず誰かがむしってお皿に並べます。
アルィスラーンさんが、鱒を手でむしってくれた。ワイルドねえ~!でもこれが美味しいのです。レモンを絞って熱いところを頂きます。臭みもないし、皮がクリスピー。白ワインでもあれば最高なんだけど…。
素敵な食卓を前に、記念撮影!
さて、キルギスは、実はお食事も美味しい。ちょっとご紹介させて頂くわね。なんせ、肉のバラエティが広い。牛や鶏は勿論、羊に馬。食材の多さはメニューの多さを物語る。中央アジアにはベシュバルマクという馬肉(羊の場合もある)と麺の煮込み料理がある。キルギスはこれ。細麺スタイル。
一方、カザフスタンはこれ。同じ名前のメニューなのに麺の幅が全く違う。馬肉も大きくすね肉ごと。一見全く別の料理に見える。宮城の芋煮と山形の芋煮どころじゃないわね。(私は宮城出身)でも、カザフスタンのは塩味が強かった。
伝統のパン・ボールソク。歓迎の意を表す折にも用いられる。小さな揚げパンで、ついつまんでしまうのが…。美味しいけど、間違いなく高カロリーではある。体重1キロアップね。
馬肉のソーセージは、珍味です。香草と一緒に頂きますが癖になる味わい。これもワインが欲しくなるわね。でもビシュケクではお酒を出さない店もあるから、そこは要注意よ。
小さな餃子の入ったスープ・チュチュヴァラーは、日本人受けもよさそうな味。ワンタンスープ。作るのが大変だという事は、すぐわかる。うちの料理教室ではできないだろう。
羊肉のスペアリブを煮込んだショルポもお忘れなく。辛くもなくしょっぱくもなく食べやすい。マトンのおいしさを存分に楽しめる一品。寒い冬の日なんて、とても温まる一品ではないでしょうか。なんか、得も言われぬ「おふくろの味」感があるんだよね…。不思議だわ。
土地のひとお勧めのお料理があると、やはりヴァカンスの充実度が違う。それはいいとしても行きと帰りでウェストの苦しさが違うのは、本当に辛い。飛行機のシートベルトが締まらないかと思ったわね。まー、生き馬の目を抜くトーキョーで女社長やるには、これっくらいは食べておかないとね~…。さっ、仕事仕事!
株式会社日露サービス
代表取締役社長
野口久美子
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