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第17回ウクライナ避難民の方によるウクライナ家庭料理教室

2024年2月28日

弊社は、ウクライナ避難民の方に、家庭料理を教えて頂くプロジェクト(ロシア語通訳付き)を行っております。

  

日本でなかなかお仕事の見つかりにくい、日本語の分からない方、中長期的に日本に滞在せざるをえない方、周囲に日本語の話せる方やサポートが少ない方を優先し、報酬ありの「お仕事」として来て頂いています。

 

17回目の今回は、私の個人的リクエストで「サリャンカ」。初めて食べたのは、1998年、ハバロフスクのロシア人の友人の家。ピクルスとオリーブとお肉ぎっしりの超具沢山スープを食べさせてもらったのです。オリーブを入れレモンを飾るスープは、ロシアでは珍しく、温まること間違いなしの一品。初めてのロシア暮らしの真冬にこの一杯、砂漠の水のように癒されたっけ…。でも、あんなに美味しいのに日本のレストランではめったに見ないんです。余談ですが、1998年は突然ルーブル切り下げが起こり、ロシア経済がめちゃくちゃになった時で、新卒でロシア国営ラジオに就職した私の給与も価値が三分の一になってしまったのです…。(涙)そりゃあ、サリャンカも五臓六腑に沁みるよね!

 

「ヴェーラさん、次はサリャンカはいかがでしょ」

「いいですけど、あれは材料費がかかる高いスープですよ…。男性が好きなカロリーのあるスープですね。御馳走を作った新年の後、残ったサラミなどでついでに作ってましたね。」

 

それでは、想い出のサリャンカに決定。今回は毎度おなじみリピーターのA子さんと彼女の高校時代の同級生B子さんにご参加頂きました!B子さんは英語が堪能、旅行も大好きで外国の食文化に関心のある方です。ようこそお越し下さいました。

 

まずはレッスン開始1時間前。ヴェーラさんの指令で、豚肉を水から煮始めます。味付けはここではまだしません。

 

 

サリャンカは、豚肉、サラミ、ソーセージ、さらに今日は鶏むね肉もいれる、肉類のカルテット。たっぷりのお肉をどんどん刻んでいきます。煮あがった豚肉も刻み、ゆで汁はダシとして使うので取っておきます。

 

 

 

ではキッチンでは土鍋で玉ねぎをトマトペーストと一緒に炒めていきましょう。

 

 

ゆで汁を加えて、刻んだ肉やサラミを入れてさらに煮ます。ピクルスは720mlの一瓶をぜーんぶ刻んで、なんとこのスープにピクルス汁もいれちゃうんですね。「今日は市販の酢漬けピクルスですが、ウクライナでは乳酸発酵させたピクルスなので、味がどうなるかわかりませんが…やってみましょう!」

 

 

「いい感じになってきましたね。味を見て下さい。塩はいれますか」「うー…ん」「どう?お塩いれます?」「私はこれでいいかな」「そうですね」十分すっぱいし、調味は終了。

 

 

最後にディルを振って、完成です。ピクルスの香りが立ってます。やったね~!できました~!!

 

 

 

 

「これ~!あっちで食べた味!でも具はもっと少なかったかなあ」とA子さん。彼女はロシア語圏に滞在したことがあるので、このテのお料理をあらかじめよくご存じ。「おいしいです!お肉もたっぷりで」と大満足のB子さん。ヴェーラさんも「今日のサリャンカ、良いサラミやお肉だったので大成功ですね。日本に来て私も初めてサリャンカを作って食べました。皆さん、ありがとうございます」私も久しぶりのサリャンカ、懐かしい昔が想い出されました。しかし、余すことなく食材を使いきれるのは気分が良いです。

レストランでめったに見ないのは、やっぱり材料費が高いのが理由かもね…。

 

 

さて、後日談ですが、A子さんもB子さんもおうちで復習し、写真を送って下さいました!A子さんは4回目の参加ですが、はじめて復習してみたとのこと。B子さんも、素敵なテーブルウェアで整えた美味しそうなサリャンカの写真を送ってくださいました。ヴェーラさんももちろん大感激、「みなさんが新しい料理を学び、実際に作ってみているなんて嬉しいです!予想していませんでした。素晴らしいですね!」とのご感想。

 

家庭料理を通じて、日本人と避難民の皆さんの交流が広がることを私達も大変嬉しく思っております。このチームは次回もまた新たなメニューに挑戦します!

 

 

株式会社日露サービス

代表取締役社長

野口久美子

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