フランス訪問!コートダジュールでお好み焼きを焼いた話
2024年4月14日
南フランス、コートダジュール。紺碧海岸とでも訳そうか、それは素晴らしく青く美しい海辺だ。23年前、私には仙台で仲良しのロシア語圏の友人夫妻がいた。ご主人が東北大学の理系分野の研究者で時々、うちに招き食事をしたり、奥さんの方とも仙台の街で遊んだりしたものだった。彼らは今、ニースに暮らしていた。
「ねえ、久しぶりに会いに行きたいと思うんだけど…」
「もちろん!良ければ家に泊まってよ」
「お土産はなにがいい?なんでも言って」
「じゃあね、ソース!」
「ソースって」
「夫が大好きなのよ、アレは、なににかけても美味しいって言うの!オコノミヤキのソースだよ」
はい~?お好み焼きソースですかい。
もっとね、大吟醸とか抹茶のお菓子とかそういうものを期待していたんだけど…。まあ、いっか。彼らの望みならお好み焼きソースに決まりです。
「それなら、お好み焼きパーティしない?材料は日本から持っていくから」
「OK、楽しみにしてる!」
スーツケースにお好み焼き粉、桜エビ、紅生姜、鰹節ついでに日本酒を詰めて私は成田空港をあとにした。
ニースの空港に着くと、女友達(奥さんの方)が迎えに来てくれていた。彼らに会ったのは2018年。あれからもう6年も経ってしまったというのに、彼女の姿はあまり変わっていなかった。相変わらず溌溂として、いつもにこにこしている。しかしながら、我々を取り巻く様々な状況は大きく変化し、その変化の行方も全くわからないものになってしまった。
ニースの海は、ただひたすら美しい。青と白のパラソルがビーチに並び、青い海とのコントラストは優等生的だった。間違いのない美とでも言おうか。ソファに腰かけ、人々はゆったりとドリンクを楽しみ、時々笑い声が響いた。時の流れが止まったような場所だった。
彼らの家はニースの海岸にほど近いアパートだった。それでは、と日本から持ってきた食材を並べる。せっかく、コートダジュールに来てるんだから、海老や蛸でもいれようかな、と思ったけど今回は見送り。まずは基本のお好み焼きでやってみよう。
「豚肉は買ってあるでしょうね」
「もちろん、薄い肉って言うけどこれでいい?」
「OK、OK。ほんじゃー、これをさらにそぎ切りにしますか…」
お好み焼き粉をボールにあけ、桜海老や紅しょうがを混ぜ、生地は簡単に出来る。でも、私は東北育ち。お好み焼きを家で焼いたのも遥か昔の子供時代…。大丈夫かなあ。
「生地を流して、その上に肉を乗せる。これで焼いていけばいいってわけ」
「えー、このままフタしちゃうの」
「そうよ」(自信満々に言ってるけど内心ドキドキなんです)
じゃーん!できました。
豚肉は脂身がないので、若干サッパリ系で全体的に白い。でもこれがコートダジュール風ね。お皿にあけて、事前に大阪出身の友人に教わった切り方を披露する。2本×3本のラインをナイフで入れるらしい。リクエストのお好み焼きソースにマヨネーズ。彼女曰く「マヨネーズって、それぞれの国で味が微妙に違うよね。日本のマヨネーズや卵の黄身って黄色くてびっくりしたよ」。確かに!
久しぶりのお好み焼きソースに、二人は大喜び。焼きながら食べるので、なんだかとても忙しいディナーになってしまった。じっくり旧交を温める、というか、学園祭の屋台みたいに忙しかった。
「紅生姜の味がするね~!」
「どんどん!食べてよ!」
「美味しい!お好み焼きソース、最高!!」
お好み焼きの実演をお土産にする、というアイデアは悪くなかった。具材を現地調達して、その街に合ったテイストにしても楽しい。あーあ、ニースでお好み焼きやるのも悪くないね。店名は「シェ・クミコ」、ニースのシーフードてんこ盛りの「ニース・ロワイヤル」を目玉商品にしようかしら。
株式会社日露サービス
代表取締役社長
野口久美子
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