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ウクライナ避難民の方による家庭料理教室第3回を実施しました

2022年10月2日

弊社は、ウクライナ避難民の方に、家庭料理を教えて頂くプロジェクトを行っております。

  

日本でなかなかお仕事の見つかりにくい、日本語の分からない方、中長期的に日本に滞在せざるをえない方、周囲に日本語の話せる方やサポートが少ない方を優先し、弊社アルバイトとして報酬ありの「お仕事」として来て頂いています。

 

第3回は、ウクライナの保養地オデーサからいらしているナージャさんによる魚のスープ「ウハー」です。

 

時は1966年、ソ連のレニングラードでウクライナの男性と恋に落ちた彼女は、海の町クリミアへお嫁いり。御自身もロシア系ウクライナ人です。お姑さんのワレンチーナ・イワーノヴナに教わったのがこのレシピのオリジンです。今はそのお姑さんも背が高くて素敵だったご主人も他界されましたが、ご家族と日本に避難中です。

 

まずは、魚のあら(今日はチダイ)とまるごと1個の玉ねぎを鍋へ投入。

玉ねぎは、放射状に切り込みをいれます。

 

 

「魚を煮る間に野菜を切るわよ~!」

明るい太陽の町オデーサ暮らしの長いナージャさん、太陽のような笑顔です。

 

 

「芋はいれすぎないように。このスープはブイヨンのようなさらっとした状態が身上ね」

ふむふむ…。

 

 

しっかり野菜が煮えたら、お米を30グラムほどいれます。ウハーは魚と米のスープ、日本人にはとっつきやすい一品です。

「お味はどうかしら…ん、お塩をもう少しかな」

 

 

お待ちかね、海の町クリミア仕込みのウハーです!ワレンチーナ・イワーノヴナ風。

 

 

ちなみに、最初に入れたまるのままの玉ねぎ、なんと最後に鍋から取り出して、捨てます。野菜がふんだんに取れるウクライナらしいですね。ダシをとるためだけに使うのです。

 

 

 

「ねえ、サラダ2品作ってきたのよ。召し上がって!『毛皮を着たニシン』とカニカマサラダよ」

わーお!素敵すぎる!私の大好物です。ロシアの国営ラジオ局で働いていた頃、社員食堂でよく食べたあの懐かしい味…。避難民の方とこうした「味覚の記憶」を共有できるのは、嬉しい瞬間です。

 

 

「ソ連時代、軍産施設で職員の教育プログラムの運営をしていたの。専門家のレクチャーをオーガナイズして、面白い仕事だったわ!レニングラード(サンクトペテルブルク)には行ったことがある?アイスクリームが美味しいの。お勧めよ!」
「あの頃のウクライナは肉以外の食糧不足なんかなかった。それも、カナダ人がロシア南部に大きな養豚場を建設したから解決したわよ。見に行ったことがあるけど、それはもう、まるまるとした豚だったのよ!ソ連時代は、物価も安かったわ…」

 

 

御年77歳のナージャさん、冗談好きで教え上手な、とても明るい女性でした。建築を専攻する素敵なお孫さんも道案内についてきて下さり、お話も盛り上がった楽しいひと時でした。

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