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第14回ウクライナ避難民の方によるウクライナ家庭料理教室

2023年12月11日

弊社は、ウクライナ避難民の方に、家庭料理を教えて頂くプロジェクトを行っております。

  

日本でなかなかお仕事の見つかりにくい、日本語の分からない方、中長期的に日本に滞在せざるをえない方、周囲に日本語の話せる方やサポートが少ない方を優先し、報酬ありの「お仕事」として来て頂いています。

 

12月に入った今回は「茄子と鶏肉のスープ」。ヴェーラさんの御家庭の定番のスープです。…が、簡単ですぐに出来るスープなんですよ、と彼女の弁。今回は、おなじみ家庭科の先生方のチーム、いかなる献立も余裕のチームなので、心強いことこの上ないメンバーです。それではいってみましょう!

 

まずは、鶏肉を土鍋にいれ、たっぷりと水を入れて出汁を取ります。

 

 

同時並行で玉ねぎ、なす、じゃがいもを切り、トマトとにんにくはすりおろしておきます。フライパンで玉ねぎとなすを炒めます。

「これは冬のお料理なんですか」「いえ、ウクライナでは茄子は冬に出回りません。夏に作っていましたね。茄子を乾燥させて冬場に作っても美味しいです」「茄子を乾燥させるんですか!?」「そうです。食品用の乾燥機があるんですよ」冬の長い国ならではです。干したり、煮たり。冬季における野菜の貯蔵は、この地域の重要な生活の一部です。

 

 

さらにここにトマトを加え、しっかり炒め終わったらサワークリームを入れて加熱。先程の鶏肉の鍋にじゃがいもを入れて火を通します。フライパンで炒めた野菜は鍋に入れ、さらに煮込みます。

 

 

最後ににんにくとハーブをたっぷり入れてできあがり。あ~、このガーリックの香りがたまらない。なんとなく、ジョージアのシュクメルリにも似ている気がする。因みにこのスープ壺は2000年にハバロフスクから去る際、女友達が想い出にくれたもの。空港で、突然渡されてびっくり。流石に機内持ち込みは無理だろうと思いましたが、ロシアの航空会社のスタッフは「問題なし、抱えて持っていけ」。想い出の食器なのです。

 

 

切って炒めて、煮るだけ。確かにこれまでのメニューに比べ、シンプルな手順で出来てしまいました。「とにかく素早く美味しく作れるスープです。肉はなんでもOK、牛肉ならもっと煮込まないといけませんが今回は鶏肉、火の通りも早い材料ですよ。今回は茄子は少なかったですね、もっと入れてもいいでしょう」なるほど~!個人的にはこの鶏肉バージョンは大変美味しかったです。にんにくを最後に投入するので、にんにくの香りが消えずにしっかり効いてます。

 

 

このチームが初めて参加されたのは、丁度1年前の第5回でした。あの時はボルシチを作りました。それからワレーニキ、野菜の煮込み、プロフ、ピーマンの肉詰め、豆のスープと様々な家庭料理にヴェーラさんと一緒に挑戦してきましたが、ウクライナとロシアをめぐる状況は全く変わらず、ヴェーラさんは「避難民」のまま日本にいらっしゃる現実は、非常に重く私達の前に立ちはだかっています。しかし、今は希望を捨てずに日々を生きるほかありません。次回は来年、旧ソ連圏でも人気のメニュー・ロールキャベツに挑戦する予定です。

 

ご参加頂いた皆様、まずは1年間お付き合い頂き、誠に有難う御座いました。

 

 

株式会社日露サービス

代表取締役社長

野口久美子

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