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第26回!ウクライナ避難民の方によるウクライナ家庭料理教室★ご馳走ポテサラ「オリヴィエ」と旧ソ連風メンチカツ

2025年1月28日

弊社は、ウクライナ避難民の方に、家庭料理を教えて頂くプロジェクト(ロシア語通訳付き)を行っております。

 

日本でなかなかお仕事の見つかりにくい、日本語の分からない方、中長期的に日本に滞在せざるをえない方、周囲に日本語の話せる方やサポートが少ない方を優先し、報酬ありの「お仕事」として来て頂いています。

 

新年最初の第26回は、ロシア語圏で年末年始のサラダとして名高い、オリヴィエと旧ソ連風メンチカツ・カトゥリェートゥイを作ります。どちらもソ連時代から町中の食堂、レストラン、社員食堂などどこでもお目にかかる、誰もが知る料理。私もとても懐かしいかぎり…というか、超大好きなメニューなのです!ダイエットとは無縁のメニューなんだけど…。今回もいつもの家庭科の先生方2名のご参加です!

 

ちなみに、ロシアではインフレを計るオリヴィエ指数というものがあります。オリヴィエ4人分の材料の価格でインフレ率を見るのです。コロナ禍の2020年は193.3ルーブルでしたが、2024年11月にはなんと348ルーブル。サラダから経済状況の厳しさを垣間見るのは興味深いものがありますね。

 

12月31日の夜、友達の家に遊びに行くと新年を祝うメニューの一つとして出てくるのがオリヴィエ。19世紀にフランス人のルシアン・オリヴィエが創作しました。蟹を使ってデラックスにしてもよし、シンプルにしてもよし、アレンジの効く一品。カトゥリェートゥイも、至る所どこでも見られるひき肉料理。「家で作る時はたくさん作り置きして、翌日焼いても良いですよ。お腹いっぱいになるメニューです」とヴェーラさん。

 

まずは鶏むね肉を茹でるところから。塩胡椒を入れて水から、です。

 

 

お次は、じゃがいもと人参を皮のまま茹でます。並行してサラダの具材を切っていきましょう。アサツキ、ピクルス、ゆで卵を角切りに。「ピクルスは数本残して使い切ります」「これ全部?」「多くないですか?」「様子を見ながら入れるから大丈夫。切ってしまっていいです」ピクルスは600gほどあります。一度にこんなにピクルス使わないけれど…まあ、やってみましょう!

 

 

さて、カトゥリェートゥイ。玉ねぎはすりおろし、にんにくはみじん切り。全卵にナツメグを合わせます。よく混ぜて、成形。「この種はおろし玉ねぎが入っているので相当柔らかいんです。触ってみてください」。ヴェーラさんがお手本で作ってくださった種を触るとぷよっぷよ。ハンバーグの種の固さとは違います。「乾いた手でパン粉を軽くはたく。そのあと、パン粉の海を泳がすようにして全体にまぶしてください。手は濡れていてはだめですよ」「こんな感じですかね」「そうそう、泳がせてね」。やってみると意外と難しくない。

 

 

 

サラダの方は、ゆであがったじゃがいも、人参、鶏むね肉を細かく切って大きな鍋に。人参は包丁の後ろの方を当てると、つるりと皮がむけます!と言っても、ヴェーラさんの実演はきれいなのですが、我々の剥く人参はいまひとつ…。うーん…。味付けはマヨネーズです。

 

 

 

お肉も焼けてきました。

 

 

こんがり!美味しそうです。 

 

サラダも完成です。

 

 

早速試食します。皆さん、いかがですか。

「これは普通のポテトサラダじゃないですね」「ピクルスが多いかと思ったけど、美味しいです!」ヴェーラさんもにっこり。「どうですか、ピクルスは?」「あの量でピッタリ」「でしょう?今日はグリーンピースが少なかったですね。もっと入れて下さい。あとマヨネーズは食べる直前に。食べない分にはかけないこと」「どうしてですか」「マヨネーズをかけて一晩おいてしまうと、風味が変わり酸味がきつくなります」確かに、マヨネーズを別にして出すお店もありました。

「オリヴィエは、冬のサラダです。じゃがいも、人参、塩漬けのきゅうり…どれも冬場に保管する食品で出来ます。本来、茹でたソーセージを入れますが、今回は鶏むね肉です。丁度いいソーセージが無かったので…」

それにしても皆さん、無言でむしゃむしゃ召し上がってますね!主催者としては嬉しいですね。そしてこれがまた、スパークリングワインや赤ワインに合うんですよ…。中年太りには危険な魅惑の味なんですよ…。

 

オリヴィエはウクライナ料理というより、帝政ロシアからソ連の料理です。ソ連時代に定着し愛されたサラダ。元は、ペテルブルクのレストラン「エルミタージュ」で生まれました。カトゥリェートゥイもソ連料理と表現したほうが相応しいでしょう。長い歳月の後、オリヴィエもカトゥリェートゥイもロシア料理やウクライナ料理という枠にはまらず生き残り、現在も旧ソ連圏各地で食べられています。ソ連は遠くになりにけり。今の国際社会を省みれば、複雑な気持ちにならざるを得ません。

 

 

さて、伝統的なサラダとメンチカツで楽しみ、次回このチームはヴェーラさんお得意の新しいスープと出会います!お楽しみに!

 

株式会社日露サービス

代表取締役社長

野口久美子

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