ロシア語通訳
2019年2月12日
外国語が出来れば通訳者として稼働していけるかというと、全く違う。外国語が上手いけれど、通訳者に全く向いていない人というのは、意外に多い。しかも、ロシア語は大変難しい。文字の学習から始めて10年経って、やっとビジネスレベルの入り口。英語に比べると、コストパフォーマンスの悪さはピカイチだったりする。
では、ロシア語を含め、通訳者として相応しい資質とは何だろうか。
これまでの経験を顧みると、下記の5点の様に思う。
① 母国語の水準が高い。
ゲーテの有名な言葉に「外国語を知らない人間は、母国語をも知らない人間だ」とあるのだが、母国語は、外国語の運用において非常に重要で、高度な表現を母国語で出来ない人は、それと同じ程度の外国語しか出来ない。外国語が上手くなりたいなら、まず自分の母国語を大事にし、レベルを上げる必要がある。
② 勉強が好き、または嫌いではない。
これは若い時、非常に著名な、のちに作家になられたロシア語通訳者の先生に言われた言葉である。通訳になりたいなら、勉強が好きな人でないとつとまりませんよ。この先生の仰ったことはまさに真実で、理系文系を問わず、学ぶことに果敢に取り組み続けるのが、通訳者の仕事である。
③ 他者への気遣い
自分が外国語が上手いことをアピールしたい人はまず通訳に向いていない。しかも、相手に分かるように明解に伝えることに大きな注意を払い続ける必要があるので、直訳でつたわりにくい場合、大胆に分かりやすい表現に変えるという離れ業も時に必要だったりする。日本語では反語形を使うと非常にきついひびきになるので、敢えて使わない和訳をしたり、訳した表現によって、聞く側に余計な感情がもよおされないように、気を遣う必要もあったりする。
④ 過ちは素直に認める
通訳上、間違いを指摘されたら、間違えた以上は素直に詫びること。
⑤ 職業意識を持てる
大規模なイベントでは、通訳はボランティアに任せることも珍しくなくなってしまった。職業とボランティアの大きな違いは、つらい通訳、いやな通訳も割り切って出来るかできないかにあるように思う。遺産相続の通訳など、本当にいやな話しか出なかったり、通訳者がののしられるような仕事も多々ある。報酬を頂く以上、仕事として全うする強い心は重要で、報酬を用意して下さる人の利益になるよう、精一杯努めなければならない。
自分が介在したことで、日本側とロシア側に新しい素敵な関係が生まれた時、やはり、この仕事をやって良かったと思える。通訳に限らず、文章を書いたり、文学作品を発表したり、言葉を紡ぐ行為には、時としてその後、思いもよらない展開が待っていることがある。
言葉は、やはり大事にしたい。
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