お知らせ news

もしあなたがテロリストに拘束されたら

2017年10月29日

 先日、あるロシアの町を訪れた時のこと。
ある公共施設の玄関横には、ここを訪れる人たちのために掲示板があった。
館内の案内、設備の使用申し込み方法、開館時間…。ごくごく一般的な情報ばかり。

 その中に、白黒の印刷物が1枚あった。沈鬱そうな女性や若者のイラストが描かれている。
そばに寄って、その紙をよく見れば、それはこの施設にもしテロリストが侵入し、
拘束された場合、生き延びるためにどうすれば良いのか、ということが無機質に描写されていた。

・自制し、落ち着いて、パニックにならないで下さい。落ち着いた声で話しましょう。
・起こり得る粗暴な扱いに、精神的にも肉体的にも耐えられるよう、備えて下さい。
・犯人に対し憎悪を示したり、無視したりしないで下さい。
・最初から(特に最初の1時間は)犯人のすべての指示に従って下さい。
・自分の行動が犯人の目につきにくいように。積極的に反抗しない。このことであなたの状況が悪化することがあります。
・うまく逃げ切れる見込みが、完全にない場合、逃げないで下さい。
・気分が悪い時は、申し出ること。
・犯人に関するできるだけ多くの情報を覚えておくこと。(人数、武器、風貌・容姿、体格、訛り、会話のテーマ、気性、ふるまいやくせ)
・監禁されている場合、自分の定位置を決める。
・気力、体力をしっかり持つこと。治安機関はあなたを救出するために何でもします。
・食事はきちんととること。力と健康を保ちます。
・突入時やスナイパーによるテロリストへの攻撃時、あなたの安全を確保するため、窓、ドア、テロリストから離れた場所に居て下さい。
・突入時、顔を床に伏せ、手は後頭部に当てて下さい。
・解放されても、いたずらに急いで被害届等は出さないで下さい。

 この国は、かつてテロ事件で多くの子供や国民が犠牲になった。
それは、二度と繰り返されない、過去の不幸な出来事に過ぎないなどと、誰も言い切れない。

IMG_20171011_144626

ページの先頭へ