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4月7日付東京新聞夕刊で弊社に関して報道されました

2022年4月12日

 

4月7日付東京新聞夕刊および東京新聞webで、弊社のウクライナ避難民とのビジネス協力が紹介されました。弊社のささやかな活動に着目し、丁寧に取材してくださった担当記者の方には大変感謝しております。

 

東京新聞web

https://www.tokyo-np.co.jp/article/170310

 

ここでは、少し踏み込んだ弊社の考えについて述べたいと思います。

 

第一に、この戦争は長い歴史においては(短期的な時間ではありえるのかもしれませんが)、あまりにも理解し得ない事態であるという点です。ウクライナとロシアは、既に様々な場所で指摘されているように、同じ文化圏と言語圏の近しい国同士でした。CIS各国の中でも、両国は宗教も非常に大きな枠で言えば、キリスト教です。

 

弊社のシンボルマークは「ラージヤ」という中世スラヴ社会で使用された船です。折しも、いわゆる「キエフ公国」が、現在のキーウに存在していた時代の船です。国を問わず、この船を知る全ての人々とのビジネス・文化交流を実現することを夢見て、ロシアの古都ヤロスラーヴリのロシア人グラフィックデザイナーが作ってくれました。

 

従って、あの地域の長い歴史を振り返れば40日以上続いているこの戦争の根本的理由をすぐに理解することは、非常に難しいものでした。ロシア・ウクライナを知る全世界の人々も同様であると思うのです。

 

第二に、「日本の中小企業が確実に支援出来る事」に、フォーカスすることでした。多くの日本人がこの「破壊と殺戮の地獄」を目の当たりにし、自分が平和のために出来る事を考えています。信頼のおける人道支援団体等に募金をするのも手ですし、欧州にいれば家に避難民を受け入れた方もいらっしゃいます。

 

弊社は、規模の小さい企業です。いきなり避難民受け入れ施設を建設したり、大金を寄付したりすることはできません。であれば、通訳翻訳やビジネスプロジェクトの立案と実施の会社なので、まずは日本や日本語を仕事としながらも日本に来られない事情のあるウクライナの方に対し、我々ができることはあるだろうという結論に至りました。苦労して学んだ日本語や、日本との関係を忘れずに、まずはこの日々を生き抜いて頂きたいのです。復興期には、日本から支援が行き、彼らが活躍するからです。私自身もまた、苦労してロシア語を身につけ、CIS諸国で見聞を広め、未だ以って途上にあるからです。

 

それぞれの人が、平和の実現のためにできることがあります。最初は、皆さん平和を願ったと思います。他方、今日、願いや祈りだけでは「破壊と殺戮の地獄」は終わらないのは明らかで、いかに小さくとも、平和の実現のために行動することが全世界に求められています。

 

第三に、我々はロシアのパートナーとの互恵的で友好的関係を促す、将来の仕事も失ったという事です。ロシア人で、ロシアに暮らす素晴らしい日本語通訳者、翻訳者との協力や、次に考えていた新たなロシア極東でのマイクロ投資プロジェクトの計画は、おそらく相当長い時間、停止することになるでしょう。彼らとの大変肯定的で楽しい関係を構築するのは、一朝一夕にできたものではありませんでした。

 

日本に関心を持ち、日本語を学び、それを生業としていたロシア国民、日本とのプロジェクトに参画していたロシア国民もまた今回の被害者です。彼らが、日本語を学び続け、日本を理解する努力は今や将来的に殆ど意味のないことになりつつあるのが、非常に残念です。本件で失われた、身近なものを数えあげればあげるほど、我々は事の深刻さを理解せざるを得ません。

 

最後に、弊社のウクライナ人翻訳者たちは、ウクライナや避難先の欧州でいつか日本とまたプロジェクトをやることを心待ちにし、日々を生きています。彼らの希望でもあります。日本政府や日本企業が、戦後復興に大きな役割を果たす際、このようなしっかりした経歴のある知日のウクライナ人を雇用することをお考えいただければ幸いです。

 

株式会社日露サービス

代表取締役社長

野口久美子

 

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