寄稿 NPO法人日ロ交流協会
2021年4月28日
NPO法人日ロ交流協会機関紙「日ロ交流」310号(5月1日発行)にエッセイ「Strawberry fields forever」を寄稿させて頂きました。御一読頂けましたら幸甚に存じます。
株式会社日露サービス
代表取締役
野口久美子
(以下転載)
「Strawberry fields forever」
弊社株式会社日露サービスでは、いくつかのマイクロ農業投資プロジェクトを行っている。昨年新型コロナウィルスの影響で大きく変化したビジネス環境により、ロシア等からの投資案件をオンラインで検討や会議ができるようになったことは大きい。
農学部出でもない私が敢えて何故「農業投資」であるかといえば、会社設立以前に参画したプロジェクトの多くは在ロシア日本大使館建設プロジェクトを始め、多岐に渡る分野の技術関連プロジェクトであり、そのうちの一部は非常に興味深いロシア語圏との農業プロジェクトであった。特に契約から工場竣工まで担当させて頂いた、ロシア極東での完全人工光型植物工場プロジェクトは、ロシア極東の農業における課題と今後のニーズを深く学ばせて頂いた思い出深い仕事であった。プロジェクト実施地が、かつて私が勤務していたロシア国営ラジオ局のあったハバロフスクであったことは、相手方にも大変好意的に迎えられた。一方、ある組織からの依頼の農業プロジェクトは、日本側のロシアに対する理解が今一つで芳しい成果は無かった。やはり、日本側の地域情勢への理解はプロジェクトの成功を左右する。ロシアは、なおさらである。またロシア語で直接交渉や契約締結が出来る語学力も極めて重要である。ロシア語に限らず、外国語が出来すぎて損をすることは、断じてない。
そして昨年12月、弊社はロシア極東のある地域で農業従事者といちご栽培プロジェクトに関する投資契約を締結し、現地のいくつかの報道機関でも報道されるに至った。私の祖先とロシアとの絆が95年を迎えるにあたり、個人的にもゆかりの深いロシア極東での農業交流を実現することができたことに満足している。運命のパートナーは、お子さんが4人もいらっしゃるロシア人女性だ。私も女性、年齢も近いので理解し合えるポイントが多いのも決め手になった。個人的な経験から言えば、ロシアとの事業は先方の「人柄」によるところが大きい。そのような主観的要素に依拠して良いのだろうか。当然、良いに決まっている。最後は「人」であり、同時に我が国への深いリスペクトのあるパートナーでなければならない。
種苗法の改正で、多くの日本産品種の種子や苗を栽培目的で国外に出すことは禁止され、いちごも例外ではないが、弊社のプロジェクトでは日本産品種の栽培は計画していないので、影響はない。現在の計画では、今年8月に苗の定植作業を開始し2022年6月に最初の収穫が実現するだろう。収穫に立ち会う日が、今から待ち遠しい。
目まぐるしく変わる世界情勢とその余波に晒され続ける日露関係に翻弄されず、このささやかないちご畑が長く存在する事を願って、我々の”Strawberry fields forever”大作戦は新しいポストコロナの日露関係の発展を目指してスタートを切った。我々の今後に、どうぞ御期待下さい。
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