ロシアの人々が来日する理由
2019年4月8日
昨年2018年は、日ロ相互交流年「日本におけるロシア年」、「ロシアにおける日本年」でした。日本でも、ロシアでも、さまざまなイベントが実施されていました。私も、その最大のイベントである歌舞伎のモスクワ・ペテルブルク公演の御仕事を御手伝いすることになり、9月はロシアにおりました。実は、歌舞伎ロシア公演を御手伝いするのはこれで2回目、今回も、現地では大変人気を博し、公演は素晴らしい成功をおさめました。
その際、通訳者兼お世話係として活躍して下さったロシアの女子学生が、なんとこの春から東京に留学することになりました。さっそく再会を果たし、彼女の大好物の日本料理でお祝いして参りました。
若い頃から、母国以外の国の文化に触れるのは、複眼的な思考を養い、他者を尊重する精神を作りだします。同時に、自分の国の良さにも気が付くことになります。かつて、私はドイツのハイデルベルクに1年程暮らしていたことがありますが、ドイツの暮らしやすさ、社会的構造、欧州での役割の理解など、あの1年は忘れがたい経験でした。読売報知新聞で記者をしていた大叔父、池田林儀が、1920年代にベルリンに暮らしていたこともあり、ドイツは特別に大切な国です。一方、日本の生活の良さにも気づき、ますます日本が好きになった点もあります。
それはさておき、彼女が日本のファンで、わざわざこの極東まで来てくれるのは、本当に有難いことです。
しかし、最新の2017年の法務省のデータによると、ロシア国籍者は82772名が日本に入国しましたが、留学生として訪日したロシア国籍者はたったの1262名に過ぎません。一方、アメリカ合衆国の留学生は7082名。若者の交流においても、日米関係は固く、往来のしやすい関係です。
いわゆる観光ビザ、短期滞在は66987名。2007年が51607名であったことと比較すると、激増という訳ではありませんが、リーマンショック以前の経済的好調に恵まれていたロシアの時代より、増えています。これは、ビザ発給が緩和されたことと関係していると思われますが、観光目的の人が増えたとは一概に言えません。短期滞在ビザは、出張や視察にも適応されます。
また、一時、「医療ツーリズム」などと言われていましたが、2017年に医療ビザで入国したロシア国籍者は誰もいません。ことロシアに関しては、医療で来日させるのは非常に厳しいことの表れです。むしろ、ロシア国籍者は、イスラエルや韓国に治療に行く傾向があります。日本は今後も、余程の対ロシア国籍者医療ツアーセットを組まない限り、難しいでしょう。そして組んだとしても、ビジネスとしてブルーオーシャンかどうかは判断のつきかねる所です。
日ロ関係が、比較的好調であるにせよ、訪日するロシア国籍者の数は、著しく増えてはいません。しかし、留学生の数は伸びを見せており、若い世代が日本をきちんと知る機会が増えたのは、救いです。ロシアに限らず、日本を訪れる外国人が増える時代を迎え、共存共栄のための精神的かつ物理的準備が迫られています。
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